はじめに:なぜWebマーケターは「略語」を多用するのか?

Webマーケティングの世界に足を踏み入れると、ROI、CVR、LTVといったアルファベットの略語や専門用語の多さに圧倒されるかもしれません。
なぜこれほど多くの用語があるのでしょうか。それは、Webマーケティングが「すべてを数値で測定できる世界」だからです。曖昧な表現を避け、共通の定義(言葉)を使うことで、チームやクライアントと正確に議論し、改善を繰り返すことができます。
本記事では、単なる用語の意味だけでなく、「実務のどんなシーンで使われるのか」「似た用語とどう違うのか」という一歩踏み込んだ視点で、重要用語を体系的に整理しました。
1. Webサイトへの「入り口」を作る:SEO・集客関連用語

まずは、ユーザーを自社サイトに呼び込むための、検索エンジン最適化(SEO)に関わる用語です。
- SEO(Search Engine Optimization):
日本語では「検索エンジン最適化」と呼びます。Googleなどの検索結果で自社サイトを上位に表示させ、広告費をかけずにアクセスを集める施策全体を指します。 - 検索クエリ:
ユーザーが検索窓に実際に打ち込んだ「語句」のことです。マーケティングの現場では「どんなクエリ(悩み)でユーザーが来ているか」を分析の起点にします。 - インデックス:
GoogleのデータベースにWebページが登録されることです。どれだけ良い記事を書いても、インデックスされなければ世界に存在しないのと同じです。 - E-E-A-T:
GoogleがWebサイトを評価する際の基準(経験、専門性、権威性、信頼性)の頭文字です。特に医療や金融など、人々の生活に大きな影響を与える分野で重視されます。 - コアウェブバイタル(Core Web Vitals):
Googleが定めた「Webページの使い勝手」を測る3つの指標です。読み込み速度や操作の反応の良さを数値化します。
→ [コアウェブバイタルの詳細と改善方法はこちら(別記事へ)]
2. サイト内の「動き」を測定する:アクセス解析・効果指標用語

サイトに訪れた後、ユーザーがどのような行動をとったかを分析するための用語です。
- セッション:
ユーザーがサイトを訪れてから、離脱するまでの一連の流れを「1」と数えます。 - PV(ページビュー):
Webページが表示された回数です。1人のユーザーが5ページ見れば「5PV」となりますが、セッションは「1」のままです。 - UU(ユニークユーザー):
特定の期間内にサイトを訪れた「人数」です。期間中に同じ人が何度来ても「1」と数えます。
【表:間違いやすい解析用語の比較】
| 用語 | 単位 | 意味(たとえ:お店での行動) |
|---|---|---|
| PV | 回数 | 商品棚(ページ)が延べ何回見られたか |
| セッション | 回 | お客さんが入店してから退店するまでの「来店数」 |
| UU | 人 | 来店したお客さんの「人数」 |
| 直帰率 | % | 1ページ(入り口)だけ見て帰ってしまった割合 |
- CTR(クリック率):
表示された回数のうち、実際にクリックされた割合です。検索結果のタイトルや広告の改善に必須の指標です。 - CV(コンバージョン):
資料請求や商品購入など、サイトが目標としている「成果」のことです。 - CVR(コンバージョン率):
サイトを訪れた人のうち、成果に至った人の割合です。
3. 「投資」の正しさを判断する:広告・収益管理用語

広告を運用したり、事業の健全性をチェックしたりする際に使われる、お金に関わる用語です。
- ROI(Return On Investment):
投資した費用に対して、どれだけの「利益」が出たかを示す指標です。 - ROAS(Return On Advertising Spend):
広告費に対して、どれだけの「売上」が出たかを示す指標です。 - CPA(Cost Per Acquisition):
1件のコンバージョンを獲得するのにかかったコストです。 - LTV(Life Time Value):
「顧客生涯価値」と呼ばれます。一人の顧客が、取引期間を通じて自社にどれだけの利益をもたらしてくれるかを算出します。
4. ユーザーに「選ばれる」サイトを作る:UX・Web改善用語

「使いやすさ」や「満足度」を高め、成果を最大化するための用語です。
- UX(ユーザーエクスペリエンス):
ユーザーが製品やサービスを通じて得る「体験全体」を指します。「使いやすい」「楽しい」「助かった」といった感情的な価値も含みます。 - UI(ユーザーインターフェース):
ユーザーが実際に目にする画面や、操作するボタンなどの「接点」を指します。 - LP(ランディングページ):
広告などを経由してユーザーが最初に訪れる、特定の目的に特化したページです。 - ヒートマップ:
ユーザーがページのどこを熟読し、どこでクリックしたかを、サーモグラフィのように色で可視化する分析手法です。
5. 裏側の「仕組み」を知る:技術・システム関連用語

Web担当者がエンジニアや制作会社とスムーズに会話するために必要な用語です。
- CMS(Content Management System):
プログラミングの知識がなくてもWebサイトを更新できるシステムです。WordPressなどが代表的です。
→ [CMSの基礎知識と種類についての詳細はこちら(別記事へ)] - API(Application Programming Interface):
異なるシステム同士を連携させる仕組みです。例えば、サイトの問い合わせフォームと自社の顧客管理システムを自動でつなぐ際に活用されます。 - XMLサイトマップ:
人間ではなく「検索エンジン」に向けて、サイト内の全ページを知らせるためのファイルです。
→ [サーチコンソールとサイトマップの使い方はこちら(別記事へ)]
用語を「知っている」から「成果に活かせる」へ
Webマーケティングの用語は、覚えれば覚えるほど、現状を正確に把握する力がつきます。
例えば、「アクセス数が減った」と漠然と捉えるのではなく、「平均掲載順位は変わっていないが、CTRが低下している」と判断できれば、「記事のタイトルを変更しよう」という具体的なアクションに繋がります。
この用語集を一つの地図として、各分野の専門記事(SEO、広告、アクセス解析など)へ進み、実務に役立てていってください。
まとめ
- Webマーケティング用語は、「入り口(集客)」「中身(解析)」「成果(広告)」で整理すると覚えやすい。
- 意味を暗記するだけでなく、計算式や実務での使われ方をセットで理解する。
- 用語の正しい理解は、チーム内や外部パートナーとの「共通言語」になり、施策のスピードを上げる。

