「自社サイトの表示速度が遅い気がする…」
「SEO対策って何から始めればいいの?」
「もっとユーザーにとって使いやすいサイトにしたい!」
Webサイトを運営している経営者やWeb担当者の皆様、こんなお悩みはありませんか?
そんな時に役立つのが、Googleが無料で提供しているLighthouse(ライトハウス)です。
Lighthouseを使えば、専門知識がなくても、あなたのWebサイトが「健康」かどうか、どこを改善すればもっと良くなるのかを簡単にチェックできます。
この記事では、Lighthouseとは何か、どうやって使うのか、そして分析結果をどう見ればいいのかを、初心者の方にも分かりやすく、ステップバイステップで解説します。ぜひ最後まで読んで、あなたのサイト改善に役立ててくださいね!
Lighthouseとは?Google公式のサイト診断ツール

Lighthouseは、Googleが提供しているWebサイトの健康診断ツールのようなものです。無料で利用でき、Google Chromeの拡張機能として、または開発者ツールの一部として提供されています。
Lighthouseを使うと、主に以下の5つの観点からあなたのWebサイトを評価し、具体的な改善点まで教えてくれます。
評価項目 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
Performance | 表示速度・応答性のチェック | ユーザーの離脱を防ぐ |
Accessibility | すべての人にとっての使いやすさ | UX向上・アクセシビリティ配慮 |
Best Practices | コードの健全性・セキュリティ | 安心できるサイト構築 |
SEO | 検索エンジンへの最適化 | 検索順位の向上 |
PWA | アプリのような快適性 | モバイル体験の強化(対応サイトのみ) |
- Performance (パフォーマンス): サイトの表示速度は速いか?
- Accessibility (アクセシビリティ): 誰にとっても使いやすいサイトか?(障がいのある方や検索エンジンを含む)
- Best Practices (おすすめの方法): 最新のWeb標準に沿っているか?セキュリティは大丈夫か?
- SEO: 検索エンジンに見つけてもらいやすい基本的な設定ができているか?
- Progressive Web App (PWA): モバイルアプリのように快適に使えるか?(PWA対応サイトの場合)
これらの項目をチェックすることで、サイトの弱点を発見し、ユーザー体験(UX)の向上やSEO評価の改善につなげることができます。
似たようなツールにGoogleのPageSpeed Insightsがありますが、Lighthouseはより広範囲な項目をチェックできるのが特徴です。(違いについては後ほど詳しく解説します!)
なぜLighthouseを使うべきなのか?

数値で「改善ポイント」が見えるから
「Webサイトの改善が必要」と言われても、何をどう改善すべきか分からない…という方にとって、Lighthouseは具体的な改善点を数値と一緒に提示してくれるツールです。
社内報告や外注指示にも使える
レポートはPDFとして保存できるため、社内報告資料や制作会社への修正依頼の根拠資料としても使えます。特に上層部への説明では「なんとなく」より「数値で見せる」が効果的。
無料&インストール不要で誰でも使える
Google Chromeの標準機能なので、追加のツール不要で今すぐ使えるのも魅力です。
Lighthouseの導入方法(インストールは超簡単!)
Lighthouseを使う準備はとっても簡単!以下の手順でGoogle Chromeに拡張機能を追加しましょう。

①Chromeウェブストアにアクセス: Google Chromeを開き、「Chromeウェブストア」にアクセスします。
②Lighthouseを検索: 検索窓に「Lighthouse」と入力して検索します。

③Chromeに追加: オレンジ色の灯台のアイコンが目印の「Lighthouse」を見つけたら、「Chromeに追加」ボタンをクリックします。
④拡張機能を追加: 確認画面が表示されたら、「拡張機能を追加」をクリックします。

⑤インストール完了!: ブラウザの右上にLighthouseのアイコン(灯台マーク)が表示されれば、インストール完了です!
これで、いつでもLighthouseを使えるようになりました!
Lighthouseの使い方(レポート生成も簡単!)
インストールが完了したら、さっそくあなたのサイトを分析してみましょう!
①評価したいページを開く
Google Chromeで、分析したいWebサイトのページを開きます。今回は例として、あなたの会社のトップページを開いてみましょう。
②Lighthouseアイコンをクリック

ブラウザ右上の拡張機能一覧から、先ほど追加したLighthouseのアイコン(灯台マーク)をクリックします。
③レポート生成ボタンをクリック

ポップアップが表示されたら、「Generate report」ボタンをクリックします。
※(オプション)分析したいデバイス(Mobile / Desktop)や、評価したい項目(Categories)を選択することもできます。最初はデフォルトのままでOKです。
④分析を待つ
分析が自動で開始されます。ページの規模にもよりますが、数十秒~1分程度で完了します。しばし待ちましょう。
⑤レポート表示

分析が終わると、新しいタブで評価結果レポートが表示されます。
どうですか?思ったより簡単に分析できたのではないでしょうか?
Lighthouseレポートの見方(スコアと改善点をチェック!)
さて、いよいよ分析結果を見ていきましょう!レポートにはたくさんの情報が書かれていますが、まずは各項目のスコアに注目してください。
スコアは0点から100点で表示され、色分けで分かりやすくなっています。
色 | 点数範囲 | 評価 |
---|---|---|
🟢 緑 | 90〜100点 | 理想的な状態 |
🟠 オレンジ | 50〜89点 | 改善の余地あり |
🔴 赤 | 0〜49点 | 要改善・優先対応 |
- 緑 (〇 90–100点): Good! 素晴らしい状態です。
- オレンジ (□ 50–89点): Medium. 改善の余地があります。
- 赤 (△ 0–49点): Low. 早めの改善が必要です。
目指すはオールグリーン(90点以上)ですが、まずはオレンジや赤の項目から改善していくのがおすすめです。
💡注意:スコアがすべてではない
Lighthouseのスコアはあくまで参考値です。
特にBtoBサイトでは「読み込みスピード」よりも「コンバージョン導線(お問い合わせのしやすさ)」が重視される場合もあるため、目的に応じたバランスが大切です。
主要な評価項目をチェック!
レポートには以下の5つの主要な評価項目があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
評価項目 | 概要 | チェックポイント例 | なぜ重要? |
Performance (パフォーマンス) | ページの表示速度や応答性 | FCP, SI, LCP, TTI, TBT, CLS ※ 専門用語は後述 | 表示が遅いとユーザーは離脱しやすく、SEO評価にも影響 |
Accessibility (アクセシビリティ) | すべてのユーザー(障がいを持つ方、高齢者、検索エンジン等)にとっての使いやすさ、分かりやすさ | 文字色と背景色のコントラスト、画像への代替テキスト設定、ボタンやリンクの分かりやすさ | より多くの人に情報が届き、ユーザビリティ向上、SEOにも好影響 |
Best Practices (おすすめの方法) | 最新のWeb技術標準への準拠、セキュリティ対策、コードの健全性 | HTTPSの使用、安全なJavaScriptライブラリの使用、ブラウザエラーがないか | サイトの信頼性・安全性を高め、ユーザーに安心感を与える |
SEO | 検索エンジンがサイトを理解しやすくするための基本的な設定 | titleタグやmeta descriptionの設定、robots.txtの有効性、リンクに適切なテキストがあるか | 検索結果で上位表示されやすくなり、集客につながる |
Progressive Web App (PWA) | モバイルアプリのような快適な操作性を提供できているか(PWAとして構築されているサイト向け) | オフライン対応、ホーム画面への追加機能、プッシュ通知など | モバイルユーザーの体験を大幅に向上させ、エンゲージメントを高める |
特に重要な「Performance」の指標(読み飛ばしOK!気になる方へ)
パフォーマンスのスコアは、以下の6つの指標(Core Web Vitalsを含む)に基づいて計算されます。最初は難しく感じるかもしれませんが、「こういう指標で速度を測っているんだな」くらいに捉えておけばOKです。
指標 | 内容 |
---|---|
FCP | 最初の文字や画像が表示されるまでの時間 |
LCP | 最も大きな要素が表示されるまでの時間 |
TTI | サイトが操作可能になるまでの時間 |
TBT | 操作をブロックしている時間の合計 |
CLS | レイアウトのズレ具合 |
- First Contentful Paint (FCP): 画面に最初のコンテンツ(文字や画像など)が表示されるまでの時間。
- Speed Index (SI): ページがどれだけ速く表示されているかを体感的に示す指標。
- Largest Contentful Paint (LCP): ページ内で最も大きなコンテンツ(メイン画像や動画など)が表示されるまでの時間。(Core Web Vitals)
- Time to Interactive (TTI): ページが表示され、ユーザーがボタンをクリックしたり入力したりできるようになるまでの時間。
- Total Blocking Time (TBT): ユーザーが何か操作しようとしても、ページの処理が追いつかずに反応できない「ブロック」時間の合計。(Core Web VitalsのFIDと関連)
- Cumulative Layout Shift (CLS): ページの読み込み中に、画像や広告の表示ズレなどでレイアウトがガタつく度合い。(Core Web Vitals)
改善点を見つけよう!
各評価項目の下には、「Opportunities(改善できる項目)」や「Diagnostics(診断結果の詳細)」が表示されます。ここには、「画像を圧縮しましょう」「不要なCSSを削除しましょう」といった具体的な改善提案が書かれています。
特に「Failed Audits(要改善)」と表示されている項目は、優先的に対応しましょう。改善方法が分からない場合は、表示されているキーワードで検索したり、Web制作会社や開発者に相談してみるのが良いでしょう。
LighthouseとPageSpeed Insightsの違いは?どっちを使うべき?

最初にも少し触れましたが、GoogleはLighthouseと似たツールとしてPageSpeed Insights (PSI)も提供しています。どちらもサイト改善に役立つツールですが、いくつか違いがあります。
項目 | Lighthouse (Chrome拡張機能) | PageSpeed Insights (Webサービス) |
利用方法 | Chromeブラウザにインストールして使用 | WebサイトにアクセスしてURLを入力 |
実行環境 | あなたのPC (環境によりスコアが変動) | Googleのサーバー (安定したスコア) |
評価項目 | 5項目 (Performance, Accessibility, Best Practices, SEO, PWA) | Performance中心 (LighthouseのPerformanceを詳細化) |
主な用途 | サイト全体の網羅的な健康診断 | ページ表示速度の専門的な分析・改善 |
使い分けのポイント
- サイト全体を多角的にチェックしたい、アクセシビリティやSEOの基本も確認したい場合
→ Lighthouse - ページの表示速度(パフォーマンス)を重点的に、安定した環境で計測・改善したい場合
→ PageSpeed Insights
どちらが良い・悪いではなく、目的に応じて使い分けるのが賢い方法です。まずはLighthouseで全体像を把握し、パフォーマンス改善に集中したい時にPageSpeed Insightsを使う、という流れもおすすめです。
Lighthouseを活用するメリット【経営者・Web担当者必見!】

なぜ、忙しい業務の合間を縫ってまでLighthouseを使うべきなのでしょうか?それは、Lighthouseを活用することで、ビジネスに直結する多くのメリットがあるからです。
効果 | 内容 |
---|---|
課題の“見える化” | 感覚ではなく、データに基づく改善が可能 |
具体的な改善策 | 何を・どう直すかが明確になる |
UXの向上 | 使いやすいサイトはユーザーの満足度を高める |
SEO対策にも直結 | Google評価に影響するCore Web Vitalsもカバー |
コストゼロ | 無料で高機能な診断ができる |
- サイトの弱点を”見える化”できる
感覚ではなく、客観的なデータに基づいてサイトの問題点を把握できます。 - 具体的な改善策がわかる
どこから手をつければ良いか、具体的なアクションプランを立てやすくなります。 - ユーザー体験 (UX) が向上する
表示速度が速く、使いやすいサイトは、訪問者の満足度を高め、離脱率の低下や滞在時間の増加につながります。 - コンバージョン率アップに貢献
ストレスなく快適に使えるサイトは、問い合わせや商品購入といった成果(コンバージョン)に結びつきやすくなります。 - SEO評価が向上する
Googleはサイトの表示速度や使いやすさ(Core Web Vitalsなど)を検索順位の評価要因としています。Lighthouseでの改善は、SEO対策としても有効です。 - 無料で始められる
高価なツールを導入する前に、まずは無料でサイト改善の第一歩を踏み出せます。
Lighthouseは、コストをかけずにWebサイトの価値を高めるための強力な武器となるのです。
定期的に使って、サイト品質を保とう
Lighthouseは1回使って終わりではなく、定期的なチェックが効果的です。
- 月1回の診断
- 新規ページ公開時
- サイトリニューアル後
このようなタイミングで活用することで、常に良好なWebパフォーマンスを維持できます。
まとめ:Lighthouseでサイト改善の第一歩を踏み出そう!
今回は、Googleの無料ツール「Lighthouse」の概要から使い方、レポートの見方、PageSpeed Insightsとの違いまで、網羅的に解説しました。
Lighthouseは、あなたのWebサイトを様々な角度から分析し、改善点を見つけるための心強い味方です。インストールも使い方も簡単なので、専門知識がない方でもすぐに試すことができます。
ぜひ、この記事を参考にLighthouseを導入し、あなたのサイトの健康診断をしてみてください。定期的にチェックし、改善を続けることで、ユーザーにも検索エンジンにも愛される、より良いWebサイトへと成長させていきましょう。