「Webサイトを作ろう!」
「新しいコンテンツを追加したいな」
そう思ったとき、「サブドメイン」と「サブディレクトリ」という言葉に出会って、頭の上に「?」が浮かんでいませんか?
「なんだか似ているけど、何が違うの?」
「うちのサイトには、どっちが合ってるんだろう?」
「SEO的には、どっちを選んだ方がトクなの?」
Webサイト運営を始めたばかりだと、専門用語も多くて戸惑いますよね。でも、ご安心ください! この記事を読めば、サブドメインとサブディレクトリの違いから、上手な使い分け、気になるSEOへの影響まで、スッキリ解決します。
さらに、「あなたのサイトにピッタリなのはどっち?簡単診断チャート」や、具体的な「シーン別ケーススタディ」、「有名サイトの使い分け事例」もご紹介!
この記事を読み終わる頃には、「なるほど!」と納得して、自信を持って最適な方を選べるようになっているはずです。さっそく、一緒に見ていきましょう!
まずは基本!「ディレクトリ」って何?

サブディレクトリの話をする前に、ウォーミングアップ! 「ディレクトリ」という言葉から簡単に説明しますね。
難しく考えなくてOK! パソコンでファイルを整理するときに使う「フォルダ」とほぼ同じものだと思ってください。
写真や書類をパソコンの中に整理するとき、分かりやすいように「旅行写真」「仕事関係」みたいなフォルダを作りますよね? ディレクトリも、Webサイトという大きな箱の中にあるたくさんの情報(ページ)を、テーマごとに整理・分類して保管しておくための「仕切り」や「部屋」のようなものです。
Webサイトはたくさんのページが集まってできています。そのページたちを迷子にさせないための整理棚がディレクトリ、というイメージです。
【Webサイトの整理棚イメージ】
example.com (あなたのWebサイト全体)
├ /photo/ (写真の部屋)
│ ├ travel.html (旅行の写真ページ)
│ └ pet.html (ペットの写真ページ)
└ /blog/ (ブログの部屋)
├ article1.html (記事1)
└ article2.html (記事2)
この /photo/ や /blog/ が、Webサイトにおけるディレクトリにあたります。URLで見ると、ドメイン名の後ろに / で区切られていますね。
「サブディレクトリ」とは? 同じ家の中にある「続き部屋」
では、本題の「サブディレクトリ」です!
これもシンプル! 先ほどの「ディレクトリ(部屋)」の中に、さらに作る「小部屋」や「続き部屋」のことです。
パソコンで言えば、「書類」フォルダの中に「請求書」フォルダを作るような感じ。Webサイトで言うと、メインのドメイン(Webサイトの住所=家)の後ろに /(スラッシュ)で区切られて続く部分がサブディレクトリです。
URLの例: https://example.com/blog/coding/
この場合、example.com という家(ドメイン)の中にある blog という部屋の中に、さらに coding という小部屋(サブディレクトリ)がある、という意味になります。
サブディレクトリを使えば、一つのWebサイト(同じ家)の中に、ブログコーナー、商品紹介コーナー、お知らせコーナーなど、関連性の高いテーマごとに部屋を区切って、情報をきれいに整理整頓できるんです。
身近な例:価格.com
- 価格.com トップページ: https://kakaku.com/ (大きな家)
- 家電製品ページ: https://kakaku.com/kaden/ (← /kaden/ は家電の部屋 = サブディレクトリ)
- パソコン製品ページ: https://kakaku.com/pc/ (← /pc/ はパソコンの部屋 = サブディレクトリ)
価格.comという大きなサイト(家)の中に、「家電」「パソコン」といった続き部屋(サブディレクトリ)を作って、たくさんの商品を分かりやすく分類しているのがイメージできますね。
「サブドメイン」とは? 同じ敷地内に建てる「離れ」や「別棟」
次に、「サブドメイン」を見ていきましょう。
サブドメインは、元のドメイン(独自ドメイン=土地付きの母屋)を分割して作る、新しい住所を持つ「離れ」や「別棟」のようなものです。
URLで見ると、ドメイン(母屋の住所)の前に .(ドット)で区切られて追加される部分がサブドメインです。
URLの例: https://shop.example.com/
この場合、example.com という母屋がある敷地内に、shop という名前の新しい建物(サブドメイン)を建てた、というイメージです。
サブディレクトリが「同じ家の中の部屋」だったのに対し、サブドメインは「同じ敷地内だけど、独立した建物」。メインのサイトとはテーマや目的がガラッと変わるような、別のサイトを作りたいときによく使われます。
身近な例:Yahoo! JAPAN
- Yahoo! JAPAN トップページ: https://www.yahoo.co.jp/ (広大な敷地と母屋)
- Yahoo!ニュース: https://news.yahoo.co.jp/ (← news. はニュース専門の別棟 = サブドメイン)
- Yahoo!ショッピング: https://shopping.yahoo.co.jp/ (← shopping. はショッピング専門の別棟 = サブドメイン)
Yahoo! JAPANという大きなブランド(敷地)の中に、「ニュース」や「ショッピング」といった、それぞれ独立した役割を持つサービス(別棟)をサブドメインで作っているのが分かります。
一目でわかる!サブディレクトリとサブドメインの違い

ここで、サブディレクトリとサブドメインのキャラクターの違いを表で整理してみましょう!
項目 | サブディレクトリ (同じ家の中の続き部屋) | サブドメイン (同じ敷地内の離れ・別棟) |
---|---|---|
URLの形 | example.com/subdirectory/ (ドメインの後ろ) | subdomain.example.com/ (ドメインの前) |
意味合い | 同じサイト内の階層(部屋) | 元のドメインから分割されたサイト(別棟) |
サイトの扱い | メインサイトの一部として強く認識される | メインサイトとは別の独立したサイトとして認識されやすい |
SEO評価 | メインサイトの評価を引き継ぎやすい (家宝を共有) | メインサイトの評価を引き継ぎにくい (ゼロからスタート) |
管理の手間 | 比較的少ない(同じ家なので掃除が楽) | 比較的多い(別棟の管理も必要) |
費用 | 基本的に追加費用なし | SSL証明書の費用が別途かかる場合がある |
得意なこと | ブログ、商品カテゴリなどテーマが近いコンテンツ | 別事業、採用、ECなどテーマが大きく異なるサイト |
【診断チャート】あなたのサイトにはどっち? 簡単ステップでチェック!

「うーん、説明は分かったけど、結局うちのサイトはどっちがいいの?」
そんなあなたのために、簡単な診断チャートを用意しました! 質問に答えていくだけで、おすすめの方向性が見えてきますよ。
\スタート!/
Q1. 新しく追加したいコンテンツは、今あるメインサイトとテーマが全く異なりますか? (例: 会社のサイトに、全然関係ない趣味のブログを追加したい)
- はい → Q2へ
- いいえ (テーマが近い、関連している) → 【診断結果A】へ
Q2. その新しいコンテンツを、メインサイトとは別の独立したブランドやサービスとして見せたいですか? (例: 会社サイトとは別に、採用専用サイトとしてしっかり作りたい)
- はい → Q3へ
- いいえ (あくまでメインサイトの一部として扱いたい) → 【診断結果A】へ
Q3. 将来的に、そのコンテンツだけで独立した大きなサイトに育てていきたいと考えていますか? (例: 最初は小さく始めるけど、いずれはその分野専門のポータルサイトにしたい)
- はい → 【診断結果B】へ
- いいえ → Q4へ
Q4. そのコンテンツは、お金や健康に関する情報(YMYL)、またはアダルトコンテンツなど、検索エンジンの評価が特に厳しい、もしくは制限がかかる可能性のある内容を含みますか?
- はい → 【診断結果B】へ
- いいえ → 【診断結果A】へ (※ただし、Q2, Q3によってはBも検討の余地あり)
【診断結果】
- (A) サブディレクトリ がおすすめ!
- メインサイトとの関連性を活かし、SEO評価を引き継ぎやすいこの方法が向いています。管理も比較的シンプルです。迷ったらこちらを選ぶのが基本です。
- (B) サブドメイン がおすすめ! (または検討の価値あり)
- メインサイトと切り離して、独立したサイトとして運営するのが良さそうです。専門性を高めたり、リスクを分散したりする効果が期待できます。
※あくまで目安です。 最終的には、サイト全体の目的や戦略、管理の手間なども考慮して判断してくださいね。
どっちを選ぶ?サブディレクトリとサブドメインの使い分けガイド

診断チャートで方向性が見えてきたところで、もう少し詳しく使い分けのポイントを見ていきましょう!
\こんなときは「サブディレクトリ」がおすすめ!/ (同じ家の中の続き部屋)
- メインサイトとテーマが近いコンテンツを追加したい場合
- 企業サイト内に社員ブログを追加 (corporate.jp/blog/)
- ECサイト内に商品カテゴリを作る (shop.com/shoes/, shop.com/bags/)
- 情報サイト内に特定のジャンルのページをまとめる (news-site.com/sports/)
- オウンドメディアを運営したい(メイン事業と関連性が高い場合) (company.co.jp/media/)
- メインサイトのSEO評価(ドメインパワー)を最大限に活かしたい場合
- サブディレクトリは「母屋の一部」なので、母屋が持つ信頼や評価(ドメインパワー)を受け継ぎやすい! 新しいコンテンツも検索上位に表示されやすくなる効果が期待できます。サイト全体のテーマ性も強まり、Googleからの評価アップにも繋がります。
- サイトの管理をシンプルにしたい場合
- 一つのサイト(家)の中での整理なので、アクセス解析やメンテナンスなどの管理が比較的ラクです。
- 特にこだわりがない、迷っている場合
- 「よく分からない…」という場合は、まずサブディレクトリを選んでおくのが無難で、多くのケースでうまく機能します。
\こんなときは「サブドメイン」がおすすめ!/ (同じ敷地内の離れ・別棟)
- メインサイトとテーマが全く異なるサイトを作りたい場合
- コーポレートサイト (corporate.jp) とは別に、採用専用サイトを立ち上げる (recruit.corporate.jp)
- 製品紹介サイト (product.com) とは別に、オンラインショップを開設する (shop.product.com)
- 全く別の事業やサービスを展開する (service-b.example.com)
- 理由: あまりに違うテーマを一つのサイトに入れると、「何屋さんなの?」とGoogleが混乱し、専門性が低いと判断されるかも。サブドメインで「別棟」にすれば、それぞれの専門性が際立ちます。
- サイトの役割やブランドイメージを明確に分けたい場合
- カスタマーサポート専用サイト (support.google.com)
- 会員限定コンテンツサイト (members.service.jp)
- 特定のイベント用特設サイト (event2024.company.com)
- 地域や言語ごとにサイトを最適化したい場合
- アメリカ向けサイト (us.example.com)、日本向けサイト (jp.example.com)
- YMYL(Your Money Your Life)領域の専門サイトを作りたい場合
- お金や健康に関するジャンルはGoogleの評価基準が特に厳しい! サブドメインで独立させ、専門性を徹底的に高めることで、かえって評価されやすくなることがあります。
- セーフサーチの対象となりうるコンテンツを扱う場合
- アダルトコンテンツなどをサブディレクトリで作ると、サイト全体が検索結果に出にくくなるリスクが! サブドメインで「隔離」するのが安全策です。
【ケーススタディ】こんな時どうする? 具体例で見てみよう!

理屈は分かったけど、実際の場面ではどう判断すればいいの? という方のために、よくあるケースを例に考えてみましょう!
- ケース1:町のパン屋さん (bakery.com) が、お店のブログを始めたい!
- → 推奨:サブディレクトリ (bakery.com/blog/)
- 理由: お店の情報(パンの種類、こだわり、日常)を発信するブログは、メインサイトとの関連性が非常に高い。サブディレクトリで一体感を出し、お店のファン作りにも繋げやすい。SEO評価も共有できます。
- ケース2:IT企業 (it-company.jp) が、全く新しい事業として、オンラインのプログラミングスクールを始めたい!
- → 推奨:サブドメイン (school.it-company.jp)
- 理由: プログラミングスクールは、既存のIT企業の事業とはターゲット層や目的が異なる可能性が高い。サブドメインで独立したサービスとして見せることで、専門性をアピールしやすく、ブランドも確立しやすい。
- ケース3:個人の旅行ブログ (travel-diary.net) が大人気に! 旅行関連グッズの販売も始めたくなった!
- → 推奨:サブドメイン (shop.travel-diary.net)
- 理由: ブログ(情報発信)とネットショップ(物販)では、サイトの機能や目的が大きく異なる。サブドメインで分けることで、ユーザーも「ここは読む場所」「ここは買う場所」と分かりやすくなり、管理もしやすくなります。
- ケース4:地域情報サイト (area-info.com) を運営中。県外の友達と一緒に、全国版のグルメ情報サイトも作りたい!
- → 推奨:新しい独自ドメイン (gourmet-japan.com など) を取得する
- 理由: 地域情報と全国グルメ情報では、テーマもターゲットも大きく異なる。既存サイトのサブドメインにするよりも、全く新しいドメインで独立したサイトとして立ち上げる方が、ブランドイメージも作りやすく、SEO的にも有利な場合が多いです。
このように、具体的な状況に合わせて考えることで、より適切な選択ができますね!
【番外編】有名サイトはこう使い分けている! あのサイトの裏側を覗いてみよう

私たちが普段何気なく見ているWebサイトも、実はサブドメインやサブディレクトリを巧みに使い分けています。いくつか例を見てみましょう!
- Google:
- 検索エンジン本体: www.google.com
- サポート: support.google.com (サブドメイン)
- マップ: maps.google.com (サブドメイン)
- → 明らかに機能が異なるサービスは、サブドメインで独立させていますね。
- Amazon:
- ショッピングサイト: www.amazon.co.jp
- クラウドサービス(AWS): aws.amazon.com (サブドメイン)
- 音楽配信: music.amazon.co.jp (サブドメイン)
- → 幅広い事業を展開するAmazonは、サービスごとにサブドメインを使い分けて、それぞれの専門性を明確にしています。
- 楽天:
- 楽天市場: www.rakuten.co.jp
- 楽天トラベル: travel.rakuten.co.jp (サブドメイン)
- 楽天ブックス: books.rakuten.co.jp (サブドメイン)
- → こちらもサービスごとにサブドメイン。「楽天」という大きなブランド傘下で、各サービスが独立して運営されているイメージです。
- 企業のオウンドメディア (例):
- corporate.jp/media/ (サブディレクトリ)
- company.com/blog/ (サブディレクトリ)
- → 多くの企業ブログやメディアは、サブディレクトリ形式を採用しています。これは、メインサイトのドメインパワーを活かしてSEO効果を高めたい、本体サイトとの連携を強めたい、という狙いがあると考えられます。
このように、サイトの規模や事業内容、戦略によって使い分け方は様々です。あなたのサイトの目的に照らし合わせて、参考にしてみてください。
気になるSEOへの影響は?どっちが有利?

さて、多くの人が気になるのがSEO、つまり「検索結果で上位に表示されやすくなるのはどっち?」という点ですよね。
Googleの公式見解は…?
繰り返しになりますが、Googleの担当者は「サブドメインでもサブディレクトリでも、Googleの評価に優劣はない。検索エンジンはどちらも正しく扱えるので、人間にとって管理しやすい方を選んでください」と説明しています。
でも、実際のところは…?
多くのWebサイト運営者やSEO専門家の間では、長年の経験則から以下のように考えられていることが多いです。
- サブディレクトリ:
- 「同じ家の中」なので、メインドメインが持つSEO評価(ドメインパワー、信頼性、築き上げてきた評価)を直接的に引き継ぎやすいと言われています。「家宝」を共有できるイメージです。
- 関連性の高いコンテンツをサブディレクトリに蓄積していくことで、サイト全体のテーマ性が深まり、「この分野ならこのサイト!」という専門家としての評価を高めやすい可能性があります。
- 結果として、新しく追加したページでも、比較的早く検索上位に表示されるチャンスがあると考えられています。
- サブドメイン:
- 「別棟」なので、メインドメインとは別のサイトとして認識されやすく、SEO評価はほぼゼロからのスタートになることが多いです。メインドメインの評価を直接引き継ぐ力は、サブディレクトリほど期待できません。
- ただし、テーマを完全に絞り込むことで、そのニッチな分野での「第一人者」としての評価(権威性)を確立しやすい、という側面もあります。
最近のトレンドは?
SEOの専門家からは、「以前ほど、サブドメインとサブディレクトリのSEO的な有利不利の差はなくなってきているのではないか」という見解も出ています。検索エンジンのアルゴリズムは常に進化しており、単純に構造だけで評価が決まるわけではなくなってきている、ということです。
結論としては…
- Google公式は「どっちでもOK!」
- 経験則では「サブディレクトリの方がSEO評価を引き継ぎやすくて有利かも?」
- でも、その差は縮まっている可能性もある。
- SEO効果だけを信じすぎず、サイトの目的、ターゲット、コンテンツの内容、管理のしやすさ、ユーザーにとっての分かりやすさ(UX)などをトータルで考えて、あなたにとってベストな方法を選ぶのが一番!
まとめ:あなたのサイトに最適なのはどっち? 賢く使い分けてレベルアップ!
今回は、サブディレクトリとサブドメインの違い、使い分け、そして気になるSEOへの影響について、診断チャートや具体例を交えながら詳しく解説しました。最後に、大切なポイントをおさらいしましょう!
- サブディレクトリ = 同じ家の中の「続き部屋」 (example.com/部屋/)
- 得意技: テーマが近いコンテンツ、SEO評価の共有
- おすすめ: ブログ、商品カテゴリ、オウンドメディアなど
- サブドメイン = 同じ敷地内の「離れ・別棟」 (別棟.example.com)
- 得意技: テーマが全く違うサイト、独立したブランド、専門性の特化
- おすすめ: 別事業、採用サイト、ECサイト、サポートページなど
- 選び方のコツ:
- まずは診断チャートで方向性をチェック!
- メインサイトとのテーマの近さを考える。
- サイトの目的や将来の展望も考慮に入れる。
- 管理の手間や費用も忘れずに。
- 迷ったらサブディレクトリが無難なことが多い。
- SEO: 一般的にはサブディレクトリ有利説があるが、Googleは差がないと言っている。構造だけでなく、コンテンツの質やサイト全体の設計が重要!
どちらを選ぶかは、あなたのWebサイトをどう育てていきたいか、という戦略そのものです。それぞれの特徴をしっかり理解して、あなたのサイトにピッタリの方法を選んでくださいね。
今回の知識を活かして、サブディレクトリとサブドメインを上手に使いこなし、あなたのWebサイトをさらにパワーアップさせましょう!